Digital Scopes

お知らせ

2012年1月6日

 

帯域60GHzのリアルタイム・オシロスコープを発表

レクロイ・ジャパン株式会社は、2012年1月6日にレクロイの製品群の中で最上位に位置するモジュール型デジタル・オシロスコープ・システムLabMasterシリーズの上位機種としてLabMaster10Ziを日本市場において販売開始することを発表します。

LabMaster10Ziは、米LeCroyが開発を進めてきた最新の半導体技術を投入して実現した、帯域36GHz、サンプリング速度80GS/sを実現する最新の捕捉テクノロジと、第7世代を迎えるDBI(Digital Bandwidth Interleave)技術、さらに複数のモジュールの高精度同期運転を可能にするChannelSync(TM)技術を組合せ、業界初となる、帯域60GHz、サンプリング速度160GS/s、最大10チャンネル入力を同時に実現する新しいリアルタイム・オシロスコープです。

【高性能が実現する計測技術】

LabMaster10Ziは、帯域60GHz、サンプリング速度160GS/s、波形解析メモリ1024Mポイント、多数同時に処理できる入力チャンネルと多くの業界初となる性能を提供します。単発のトリガ帯域は30GHzと、これまでレクロイが発表してきたWaveMaster8Zi-Aシリーズ、LabMaster9Zi-Aシリーズの2倍の帯域を実現しました。

帯域50GHz及び60GHzモデルのジッタノイズフロアは、100fs(rms)と驚くほど低く抑えられています。ハイエンド・オシロスコープの性能指標で一般的に用いられる立ち上がり特性(20-80%)は、60GHzモデルで5.5ps、36GHzで9.75psを実現しています。加えて14.1Gb/sの80ビットシリアル・パターントリガを実装し、8b/10b及び64b/66bシンボル・トリガも実装しています。またPCIExpress Gen.3のトリガにもオプションで対応可能になります。
このようなトリガ機能の充実により、LabMaster10Ziは、高速シリアル通信の分野でのデバッグや、PCIExpressのリンク層における特定のシンボルで発生するエラーを分離することができるようになります。

【高性能を支える要素】

IBM 8HP半導体プロセスを採用

レクロイはこれまで20GHzの帯域を得るために、最も確実な方法としてIBMの7HPSiGeプロセスによる技術を採用してきました。今回業界で最も広帯域である36GHzの帯域を得るために、半導体プロセスを最新の8HPに切り替えました。SiGeは幅広い業界で採用され、広帯域で最も安定した特性を発揮することでよく知られた技術です。8HPプロセスはIBMにおいて第4世代のSiGeプロセスで、これまでの2倍となる200GHzのトランジスタのスイッチングスピードを得ることができます。8HPプロセスは、半導体の性能を向上させるばかりではなく、7HPプロセスに比べて3〜4dBのノイズレベルの低減も可能にします。8HPプロセスでつくられた帯域36GHzの半導体が発生するノイズレベルは、7HPプロセスでつくられた20GHzの半導体から発生するノイズレベルとほぼ同等レベルと低く抑えられ、同時に低消費電力を実現しています。

第7世代のDBI技術

DBI技術は、今回発表するLabMaster 10Ziに搭載するもので第7世代になります。これはレクロイが特許をもつ独自技術で、現在の半導体技術で実現できる帯域幅を2倍或いは3倍に拡張する技術です。またDBI技術は帯域幅だけではなく、サンプリング速度、波形解析メモリも同じように2倍或いは3倍にすることが可能です。DBI技術は、半導体のもつ帯域幅の限界を超えることのできる唯一の方法で、常に最先端の技術を必要とするお客様に必要不可欠な技術です。LabMaster 10Ziは、このDBI技術を使い36GHzのSiGe技術によってつくられたアクイジション部を2つ組合せて使用することで60GHzの帯域と160GS/sのサンプリング速度、及び1024Mポイントの波形解析メモリを実現することができました。

モジュール型 デジタル・オシロスコープ・システム LabMaster シリーズのアーキテクチャは、アクイジション・モジュールなどの捕捉システムと、ディスプレイや制御パネル、演算ユニットを分離してそれぞれを独立させた構成にしています。

マスターコントロール・モジュール(MCM-Zi)と呼ぶユニットは、ディスプレイ、制御パネル、ChannelSync機能、及び高性能の演算機能を有しています。10Ziアクイジション・モジュールは、8HP SiGeプロセスによってつくられた捕捉システムとDBI機能を有し、60GHz帯域で2つの入力チャンネルを実現しています。

LabMaster 10Ziは、ひとつのマスターコントロール・モジュールとひとつの10Ziアクイジション・モジュールにより構成した場合、36GHz帯域で4チャンネル入力のオシロスコープ、若しくは60GHz帯域で2チャンネルのオシロスコープとして使用することができます。

単一のアクイジション・モジュールでも、業界最高の36GHz帯域の入力で4チャンネル、もしくは60GHz帯域の入力で2チャンネルを実現しますが、マスターコントロール・モジュールのChannelSync機能により最大で5台のアクイジション・モジュールを結合して使用することができるため、36GHz帯域の入力で最大20チャンネル、60GHz帯域の入力で最大10チャンネルのシステム構成を実現することができます。

【多様な要求に応えるモジュールとオプションについて】

今回発表するLabMaster 10Ziは、様々な要求に対して適用できるように、4チャンネル入力モデルとして25GHz或いは30GHzの帯域モデルも発表します。これらはいずれも80GS/sのサンプリング速度を提供します。これらのモデルは、DBI技術により50GHzの帯域、160GS/sのサンプリング速度を2チャンネル入力として使用することができるものです。
これらはすべてLabMaster 10Zi マスターコントロール・モジュールを使用することで、導入後に入力チャンネルを増設したり、帯域のアップグレードが容易に可能になります。既にLabMaster 9Zi-Aをご利用いただいているお客様は、新しいLabMaster 10Ziのアクイジション・モジュールを追加することができ、これまでの投資が無駄になることはありません。

標準の波形解析メモリは、入力チャンネルあたり20Mポイント搭載しています。2つの入力チャンネルを結合して使用する場合は、波形メモリは2倍の40Mポイントとして使用することができます。メモリオプションは、32M、64M、128M、256M及び512Mポイントの5種類を用意しています。たとえば512Mポイントの波形メモリオプションを使用している場合、2つの入力チャンネルを使用する場合は、1024Mポイントの波形解析メモリとして使用することができます。

既に販売しているLabMasterシリーズの様々なオプション(ソフトウェア、ハードウェア、アクセサリ及びプローブ類)はすべてこれまで同様にLabMaster 10Ziにおいても使用することができます。

【適用可能なアプリケーション】

アナログ帯域36GHz、サンプリング速度80GS/s、4チャンネル同時入力という性能は、これまでに達することができない仕様でした。最先端を歩むべきお客様に中には、計測器の性能が限定要因となり開発工程において様々な妥協や回り道をしてきたと容易に想像できます。
帯域やサンプリング速度以外にも、立ち上がり時間(20-80%特性)が10psを下回り、オシロスコープ固有のジッタノイズフロワが100fs以下であるという驚くべき性能を有しています。
36GHzという帯域は、逆算すると14.1Gb/sの5次高調波までをカバーできることを示します。4チャンネル同時に入力ができるため、マルチ・レーン仕様のシリアル伝送路のクロストーク干渉の観測、電源分配回路が伝送路に及ぼす影響の観測、若しくはクロックとデータの両方を差動伝送するQPI(QuickPath Interconnect)の検証にも十分適用可能です。

クラウド・コンピューティングに代表されるインフラのバックボーンには、28Gbaud(112Gb/s)のDP-QPSKによる光位相変調方式が必要とされます。28Gbaudのテストには、LabMaster 10Ziにより最も経済的な投資効果を得られます。低ノイズ特性がもたらす良好なシグナル・インテグリティ特性は、これらのテストに有効な仕様になります。

電気的に28GbaudのDP-QPSKを実現させようとするには、28〜32Gb/sのSERDES(シリアライザ・デシリアライザ)のジッタ特性の測定は欠くことができません。28Gb/sのNRZ形式の差動信号の第3高調波までを確実に捕らえるためには、50GHz帯域、2チャンネル入力のシステムが最適です。

研究分野では、既に56Gbaud(224Gb/s)を超えるDP-QPSKや16QAMの光位相変調方式に取り組んでいます。LabMaster 10Ziはこのような研究分野に対して2または4チャンネル入力の60GHz帯域のシステムで適用できます。

光伝送の開発分野では、既に1Tb/sを超えようとしています。これらはMIMOやOFDMに代表されるような既に確立された低いシンボルレートの伝送方式を束ねるような構成で実現されると考えられています。LabMaster 10Ziは、36GHzの帯域において最大で20入力チャンネル、60GHzの帯域において10入力チャンネルを実現可能なため、このような分野においても適用が期待されるものです。

【オーダーインフォメーション】

マスタコントロール・モジュール
型番 仕様
LabMaster MCM-Zi LabMasterシリーズ マスタコントロールモジュール

アクイジション・モジュール
型番 仕様
LabMaster 10-25Zi 25GHz、80GS/s、4ch、20Mポイント
LabMaster 10-30Zi 30GHz、80GS/s、4ch、20Mポイント
LabMaster 10-36Zi 36GHz、80GS/s、4ch、20Mポイント
LabMaster 10-50Zi 50GHz、160GS/s、2ch、40Mポイント
(36GHz、80GS/s、4ch、20Mシステムとしても使用可能)
LabMaster 10-60Zi 60GHz、160GS/s、2ch、40Mポイント
(36GHz、80GS/s、4ch、20Mシステムとしても使用可能)

LabMaster 10Zi 製品ページ

LabMaster 10Zi データシートPDF(英文)

 

【レクロイ・コーポレーションについて】

LeCroy Corporation は、シリアル・データ通信の解析分野において最先端の高度な測定・解析が行える計測機器を製造、販売しています。レクロイが提供する高性能のデジタル・オシロスコープ、シリアル・データ・アナライザ、プロトコル・アナライザは、コンピュータや半導体、データ・ストレージ機器、自動車や産業用機器、軍事産業、航空宇宙産業などの設計技術者に幅広く利用されています。LeCroy Corporationは45年間にわたり、革新的なテクノロジによって、特に波形解析において最高の評価を得てきました。高速信号の捕捉・計測・表示を行う波形解析は、今日の情報・通信テクノロジを促進するために必要不可欠となっており、LeCroy Corporationの持つ技術が大きく貢献できると確信しています。LeCroy Corporationはニューヨーク州チェストナットリッジに本社を置き、NASDAQに上場しています。詳細については、ウェブサイト(http://www.lecroy.com)をご参照ください。
なお、製品の仕様や発表内容は、予告なく変更されることがあります。

【お問い合わせ】

レクロイ・ジャパン株式会社
〒183-0006 東京都府中市緑町3-11-5
マーケティング・センター 塩田豊文
Tel: 042-402-9400(代表) Fax: 042-402-9586
Email: contact.jp@lecroy.com
http://www.lecroy.com/japan/



 

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