Advisor T3はコストパフォーマンスに優れたUSB 3.0 SuperSpeedプロトコルアナライザです。小型軽量で可搬性に優れ、ラボやフィールドなどあらゆる場面でUSBトラフィックのデバッグを可能にします。被測定物となるUSB 3.0ホストとデバイス間に割り込むようにして接続し、USB 3.0だけでなくUSB 2.0トラフィックも取りこぼしなく記録することができます。記録される各イベントには論理ステート遷移とLFPS信号およびタイムスタンプが含まれ、全て表示されます。インテリジェント・ターミネーション検出モードによりAdvisor T3はホスト-デバイス間でのインバンドリセットやホットプラグ等のふるまいを間断なく記録することが可能です。
米国テレダイン・レクロイ Corporationは、旧CATC社時代である1995年に第一号機のUSB Detectiveプロトコルアナライザを発表して以来、業界標準である「CATCトレース」を生み出し、USB解析ツールにおけるリーディングカンパニーであり続けました。第6世代目にあたるUSB 3.0対応プロトコルアナライザ「Advisor T3」は過去の長い実績と経験を背景に機能、使い勝手、大きさ、価格など、USB 3.0やUSB 2.0機器の開発や評価に携わるエンジニアの皆様のご要望にこたえるべく「CATCトレース」GUIをさらに改良し、ソフトウェア面でもハードウェア面でもさらに進化を遂げたプロトコルアナライザです。
USB-IFは2007年後半に現行USB 2.0の10倍の転送速度を実現する「SuperSpeed」モードを組み込んだUSB 3.0を発表しました。USB 3.0仕様は2008年11月に正式公布され、2009年後半以降、対応商品が市場へ出荷されています。
テレダイン・レクロイはこのUSB 3.0という新しい技術に対する評価技術や手法の先駆者であり、物理層からプロトコル層まで一貫した試験評価システムを提供した、世界で初めての測定器メーカーです。
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小型で取扱い易い筺体
Advisor T3は手のひらにのる程の小型軽量筺体に設計されており、小型ながら最大2GBのレコーディングメモリを内蔵しています。また、上位機種のVoyagerシリーズにも搭載されているスプールレコーディング機能により、本体内蔵のレコーディングメモリ容量を超えて長時間のラフィックの記録が可能です。さらにフィールドでのアップデートが可能なプログラマブルシステムにより、機能の追加やUSB規格の仕様変更(エラッタ等)にもプロトコルアナライザ本体のバスエンジンを更新することで対応ができるように設計されています。
最新のCATCプロトコルアナライザ・ソフトウェア
Advisor T3を制御するソフトウェアに表示される記録結果は、USB 2.0の業界標準である伝統的なCATCトレースを基盤にした複数のビュー により表示されます。ドリルダウンによる階層構造表示、検索、表示フィルター等プロトコル解析を行う上で必要な機能はすべて用意されています。
ハードウェアトリガ、フィルタ機能
内蔵ハードウェア機構によるイベントトリガは5Gb/sの高速転送速度でのバストラフィック記録において、ピンポイントで特定のプロトコルイベントを検出することができる機能です。トリガに設定することのできるイベントはバスステート、オーダードセット(U0, SKPs等)、パケットタイプ、ヘッダーフィールド(End of Burst, Packets Pending等)などです。Advisor T3はさらに指定したトラフィック(SKPs, idles やTraining sequences)を内蔵レコーディングバッファからリアルタイムで取り除く、レコーディングフィルタ機能を搭載しています。
USBデバイスクラス・デコード機能
Advisor T3ソフトウェアは各エンドポイントによるバス・エヌマレーション時に申告されるデータを用いて自動的にデバイスクラス・デコードを行います。手動での割り当ても可能で、ドロップダウンメニューにより簡単にUSBデバイスタイプを選択し、割り当てることができます。USB OTG仕様にも対応しており、USB3Vision, Video class 2.0, Mass Storage, USB Attached SCSI(UAS) protocolなど様々なクラスに対応しています。
8B10Bレベルの表示デバッグ機能
Advisor T3に搭載されるLink Tracker表示はステートの遷移と10ビットデータ・パターンを2n sec.の高分解能でタイムスタンプを付加し、トレースデータ上に表示します。すべてのオーダードセットが10ビット、8ビット、スクランブル、非スクランブル16進フォーマットで表示されます。さらに、シンボルからシンボルまでのタイミング測定もワンクリックで簡単に実行できます。
迅速なエラー検出
トレースデータ上のUSB 2.0やUSB 3.0イベントを集計し表示する機能にトラフィックサマリーがあります。パフォーマンス解析機能は、自動的にトレース上における各エンドポイント毎のパフォーマンスを計算して表示します。Bus Utilization機能はパケット長、デバイスによるバス占有率、ヒストグラム形式によるスループットなどバスの占有率に関する情報を瞬時に提供します。
用途に応じてアップグレード可能な柔軟なシステムデザイン
Advisor T3は複数のモデルに分かれており、USB 2.0モデルかUSB 3.0/2.0モデルかを選択できます。さらにそれぞれのモデルにより「Pro」「Standard」「Basic(USB 3.0のみ)」の計5モデルが用意されています。「Basic」から「Standard」、「Standard」から「Pro」モデルへは有償アップグレードが可能です。またUSB 2.0専用モデルからUSB 3.0対応モデルへの有償アップグレードも用意されています。例えばAdvisor T3 USB 3.0 StandardモデルをPro版へアップグレードすることにより、拡張トリガ機能やリアルタイムパフォーマンス機能が追加されVoyagerシリーズと同等のプロトコルアナライザ機能を追加することができます。
機能
- CATCトレース解析ソフトウェア
階層構造表示よるUSBトラフィックの高速デコード
- 2GB内蔵レコーディング・バッファ
解析と不具合解決のための長時間トラフィック記録
- スプールレコーディング機能
レコーディングとPCのストレージへのデータアップロードを同時に行うことにより2GBを超える長時間記録にも対応
- Raw bit記録 / 10-bitエラー検出
低レベル10ビットシンボル表示が可能で高位レベルパケット構造と相関表示
- SSCとデータ・スクランブリングに対応
5Gbps信号での高速同期と高精度記録
- ハードウェア・トリガ
USB 2.0と3.0プロトコルイベントの両方にトリガ条件を設定し重要なトラフィックや特定のエラー、データパターンを特定
- USBデバイスクラスデコードに完全対応
SCSI Mass Storage, 3.0 Hub, PTP/Still Image, Printer, PictBridge, Media Transfer Protocol(MTP)とその他の認証されたすべてのUSBデバイスクラスを自動デコード
- USB3Vision対応
USB 3.0を利用したマシンビジョン規格「USB3Vision」のパケット解析に標準対応
- ハードウェアフィルタ機能
Idles, TS1, TS2, SKPsやLFPSシーケンスを含む不要で冗長なシンボルをフィルタアウト設定可能
- 高機能レポート
自動的に生成されるレポート機能。イベント表示や20以上の共通するUSBプロトコルエラーの検出と表示を自動で行います。LTSSM表示ではトレース上で発生した論理リンクステートの動きをそのままグラフィカルに表示。
- 洗練された表示機能
TLPメッセージとヘッダ、加えてUSBプロトコルの論理トランザクションとトランスファー層の表示を行います
- 外部トリガ入力 / 出力
外部トリガや同期用シンクケーブル(オプション)により複数台のAdvisor T3連結によるバストラフィック記録が可能。他のプロトコルアライザとの連結、同期も可能(オプション)
- 13ヶ月ハードウェア保証
手厚いサポートと保証でユーザの資産を保護します
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