USB3.0ワークショップ(プラグフェスタ)参加レポートUSB3.0ワークショップ(Compliance Workshop)は、従来はプラグフェスタとして知られたイベントで、新しいインタフェース規格の普及を目的として、規格の制定団体が主催します。 USBの場合、このイベントにおいて適合性が認められた機器はロゴの使用が認められるため、開発企業にとって重要なイベントと位置づけられます。適合性の確認は、機器間の接続性試験に加えてUSBIFが制定する様々な試験をGold Suiteと呼ばれる試験設備において実施して、規格への適合性が判定されます。 USBの成功の裏にはこのプラグフェスタの成功が上げられており、多くの規格でUSBのプラグフェスタを参考としたイベントが実施されています。 基本的に、製品化前の機器が持ち寄られるために、イベント内の試験結果などの詳細は非公開となっていますが、このワークショップ参加レポートでは公開できる範囲でイベントの概要をお伝えします。 USB3.0ワークショップ(Compliance
Workshop) 11月1日、USB3.0ワークショップの開催される米国オレゴン州ポートランドに向けてデルタ航空90便で成田から出発した。
午後3時30分に定刻通りに出発した便は、若干の揺れがあったものの予定通り同日午前8時過ぎにポートランド空港に到着した。4月に訪れた際には、その当時必要であった緑の入国申請書I-94Wの記載事項で行き違いがあり、入国管理で2時間余り足止めを食った。話が長くなるので説明は省くが、今回は ESTAによる事前申請により何の問題もなくスムーズに入国ができた。ポートランド空港は地方空港なので、ニューヨークJFK空港やサンフランシスコ空港と比較するとこじんまりして人気も少ない。
10分余り待って、シャトルバスに乗り、ワークショップの会場であるエンバシー・スィート・ホテルに到着した。ポートランド空港からはバスで数分の近さにある。
「Welcome to rainy Portland」シャトルバスの運転手が言ったが、その通りこの日は雨であった。4月に訪れた時も滞在期間中はずっと雨だった。今回もしばらく雨が続いているようであるが、週の半ばには晴れるとの予想があり、フット山を拝めるかもしれないと若干の期待を持った。エンバシー・スィートはポートランドに限らず、ミルピータスでもサンタクララでも同じような作りで、吹き抜けの中庭を持つ回廊形式のホテルである。
また、名前の示す通り各部屋はスィートになっており、ベッドルームの前室がリビングになっている。ベッドルームはプライベートなスペースとして使い、前室を試験に使うようになっている。今回は6階でワークショップが開催された。 このワークショップはUSB-IFのメンバー・オンリーのプライベートなイベントなのでその内容について詳細を開示することができないが、簡単な概要を紹介する。 USB-IF’sのウェブサイトで紹介されているように、今回のワークショップは通算で75回目の開催となっているが、正式のUSB3.0の試験としては 4回目となっている。1回目は4月26日〜30日まで同じくポートランドで開催され、2回目もポートランドで7月19日〜23日まで開催され、3回目は台北で9月20日〜24日まで開催された。次回は5回目となり、カルフォルニア州ミルピータスで1月の後半に開催される予定だ。 前述のようにワークショップは6階の部屋を使って開催されたが、各部屋はUSB-IFが行うGold Suiteと呼ばれる試験会場と、各企業が行うプライベートな試験会場とに分かれている。試験の承認を受けるには、Gold Suiteとして実施されているInterop、Electrical・Phy、CVなどの試験をパスしなければならない。
各参加企業はUSB-IFの作ったスケジュールに従い、供試体を持って各部屋を巡り、必要な試験を行う。スケジュールは、2時間が単位となってる。複数の製品を供試体とすることができるが、その場合は別の2時間の枠が与えられる。
試験規格は、物理層に関してはまだバージョン0.9であり、リンク試験に関してはまだ0.8の状態である。物理層に関してはこのワークショップが終了してしばらくすると1.0となって公開されると期待されている。またワークショップで議論のあったチャンネル・エンベデッドようのSパラメータに関しては、今回のワークショップで妥当性を確認し次第、USB-IFのウェブサイド上で公開される要諦になっている。このSパラメータは、TX試験に使われる。リンク試験は、今回のGold Suiteは参考試験と位置づけられており、正式な試験としては次回1月の5回目からの実施となるそうである。 レクロイのような計測器メーカーは、こうしたイベントにボランティアとして参加してGold Suiteに試験を行う。試験に用いたセットアップを示すが、WaveMaster820Zi-AとPeRT3を使っている。他のGold Suiteと比べて非常にシンプルなセットアップだと指摘を受けたほどシンプルなセットアップであるが、RXとTXの全ての試験をこれだけでこなせる。今回、私もElectrical/PHY Gold Suiteにボランティアとして参加してUSB-IFのポロシャツを着て試験を実施している。
前述したように試験は2時間単位でスケジュールされているが、我々のところでは1時間もあれば全ての試験が完了する。TXの試験を実際のチャンネルを使ったものとチャンネル・エンベデッドで行う2種類を実施してもまだまだ時間の余裕があった。 11月2日の朝は雨が残っており、深い霧に包まれたが、午後からは晴れ渡りフッド山が綺麗にその姿を現した。筆者にとっては初めての経験である。
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