エリアシング

入力信号の周波数が、、デジタル・オシロスコープのサンプリング速度の"2分の1"(ナイキスト周波数)以上になると、その周波数成分がナイキスト周波数を中心として折り返した位置に現れる現象をエリアシングと呼びます。

入力信号が正弦波の場合には、その周波数情報がエリアシングによって誤ったものになりますが、波形が歪むことはありません。方形波などのように高調波成分を多く含む信号の場合には、基本波がエリアシングを起こさなくとも、高調波成分がエリアシングを起こし、その結果波形が歪む現象が起こります。

従って、高調波成分を含めてエリアシングを起こさないようにするには、5次高調波がナイキスト周波数以下になるように、サンプリング速度は信号の基本波の10倍程度にするのが良いとされます。

1GHz帯域程度までのデジタル・オシロスコープでは、周波数帯域に対して10倍程度のサンプリング速度が確保されているので、ナイキスト周波数以上の信号は入力アンプで大きく減衰してしまうのですが、4GHzを超える広帯域のデジタル・オシロスコープでは帯域の3倍〜4倍程度しかサンプリング速度を上げられない為、エリアシングを防止する目的からカットオフ周波数より上の成分を大きく減衰させるブリック・ウォールと言われる特性を採用するケースが多く見られます。

また、時間軸の設定とメモリ長の関係から、最高サンプリング速度が実現できずに、実効サンプリング速度が下がるケースがあります。この場合はエリアシングの危険性が大きくなるので注意が必要です。メモリ長が長いほど、こうした危惧は小さくなります。

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