ジッタ・タイミング解析

6.水晶発振器ジッタ解析ソリューション

●高精度基本性能

  • ロング・メモリ(48Mワード)&シングル・ショット捕捉により、トリガ・ジッタゼロ!
  • 5GHz帯域 SiGeのフロント・エンド・アンプ採用により、ジッタ・フロア 1psec 以下
  • 高安定度内部クロック・ジェネレータ(内部ジッタ150fs 以下)時間軸精度 1ppm 以下
  • 新採用 X-tream アーキテクチャにより、処理速度10倍高速化

 

●高性能ジッタ解析専用機能

  • Period/Cycle-Cycle/Duty/Time Interval Error/他10種類以上のジッタ専用パラメータ搭載
  • ジッタ・トラック機能で、Accumulated Jitter 解析
  • 8トレース表示のマルチ・ウインドにより、複数ジッタ・パラメータの相関を同時解析
400MHzクロック信号をシングル・ショットで捕捉、840,000周期をトリガ・ジッタゼロで解析

ジッタ解析

7. ロングターム

累積ジッタは、捕捉のトリガ・ポイントから開始してユーザーが定義したタイム・オフセット時におけるタイミングの不確実性を測る目安となります。これまで、累積ジッタはアナログ・オシロスコープを使用して複数の捕捉に対して1つのクロック・エッジ幅を測定することで求めていました。このデータは、エッジ位置の変動に関するヒストグラムを解析することで、統計的に表示するのが一般的です。レクロイ社のオシロスコープではこの測定に最適な機能、すなわち、オプションのジッタ・タイミング解析(JTA)パッケージに入っているタイム・インターバル・エラー(TIE)のJitterTrack?を使用することができます。

ジッタ解析

タイム・インターバル・エラー(TIE)関数演算の概念図

8. クロック発振器の安定性

発振器は数多くの周波数 /周期の不安定性を持っています。製造メーカは発振器の性能を「ショート・ターム」、「ロング・ターム」、環境による周波数安定性の3 つに分けて規定しています。環境に依存する安定性は、発振器の出力周波数と位相に影響します。動作温度、機械的な振動、電源の変動、その他の環境変化です。下図はコールド・スタート時のウォームアップ過程でのクロック信号の安定性を計測した例です。実際の発振器の出力信号が一番上の波形(ch2 )に表示されています。一番下の波形(トレースB )は、デバイス内部の平均動作温度のトレンド・グラフです (1mV = 1℃)。

ジッタ解析

クロック発振器の温度による安定性の計測

9. 位相ノイズ測定

発振器のショートタームの安定度は、時間軸上ではジッタとして、周波数軸上では位相ノイズとして測定されます。この両者は、全く同じ現象を異なる見方をしたものなので、相互に変換が可能です。レクロイのオシロスコープには、時間軸での計測ツールであるジッタ・タイミング・アナライザ(JTA)と周波数軸上の計測ツールである高速フーリエ変換(FFT)が装備されているので、単一の機器で両軸での計測が行えます。
位相ノイズは、発振器の回路内で生じる、出力信号のランダムな位相変調であると言えます。このランダムな位相変調は、時間軸上ではクロックの本来あるべきタイミングからのランダムなずれ、つまりジッタとなるのは明白です。周波数軸上では、位相ノイズは変調サイドバンドとなり、信号の周波数スペクトラムの裾の広がりとして見えます。

ジッタ解析

位相ノイズ測定の典型的構成

10. CPUクロックの「サイクル・トゥ・サイクル・ジッタ」の計測

最近のマイコン・ベースのシステムでは複数の、PLL(位相制御発振器)を使用した周波数逓倍回路を内蔵することにより各種の周波数の信号を発生しています。図1に典型的なクロック生成回路のブロック図を示します。マスター・クロックは16MHz の水晶発振器です。PLL に基づく周波数逓倍回路/バッファが基本周波数を2倍して、回路基板に32MHz のシステム・クロックを供給します。CPU はこのクロック信号を使い、CPU 内部ではこのクロックを3倍して内部の高速処理を実現します。

ジッタ解析

PLLを使用したマルチ周波数クロック生成回路
 

  1. PLLの周波数ステップ応答動作解析
    PLLタイムベースの動作
  2. IC内部のクロストーク解析
  3. スペクトラム拡散クロックジッタ解析
  4. Setup/Holdタイムのジッタ解析
  5. VCOのジッタ原因究明
  6. 水晶発振器ジッタ解析ソリューション
  7. ロングターム・ジッタ
  8. クロック発振器の安定性
  9. 位相ノイズ測定
  10. CPUクロックの「サイクル・トゥ・サイクル・ジッタ」の計測

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