PCI Express PCI Expressの概要
PCI Expressを採用する理由
PCI Expressの機能と特長
PCI Expressのアーキテクチャ
PCI Expressリンク
物理コネクタ
PCI Expressの今後の展望
Links
 
PCI Express 物理層解析
Gen1, 2(QPHY-PCIe)
Gen3(QPHY-PCIe3)

PCI Expressの概要

PCI Expressアーキテクチャは、プロセッサやメモリ・サブシステムにおける最新の高速化に即したシリアル相互接続の最先端テクノロジです。PCI Expressテクノロジは最初のリリース(0.8V, 2.5GHz)が登場して以来、下位互換性を保ちながら継続的に発展を続けてきましたが、プロトコル仕様、信号仕様、電気機械仕様などの拡張に伴い、次の新しい時代を迎えつつあります。PCI Expressアーキテクチャでは、PCIの従来の処理モデルとソフトウェア・インタフェースを維持することによって、既存の投資の保護と開発作業のスムーズな移行を図っています。PCI Expressテクノロジはコンピューティング産業や通信産業の複数のマーケット・セグメントを対象としており、チップ間接続、ボード間接続、アダプタに必要なソリューションを既存のPCIテクノロジと同等またはそれより低い費用構造で提供することができます。現在、PCI Expressは各方向に1レーンあたり2.5Gbps(250MBps)で動作し、32レーン構成では16Gbpsの総帯域幅をサポートしています。将来の周波数増加に対応するために、(他の媒体を経由した場合でも)銅線の制限値を超えて総帯域幅を拡大することができます。その際、プロトコル・スタックの物理層より上位の層は影響を受けません。

PCI Expressを採用する理由

PCIバスは老巧化しています。高速のCPUとメモリ、高性能グラフィックス、ギガビット・ネットワーキング、より高速の帯域幅を必要とする各種アプリケーションが次々と登場するのに伴い、かつては花形I/OであったPCIバスがボトルネックになりつつあります。最初にPCIバスは、これらの高速アプリケーションに対応できません。さらに、今日の内部システムは数多くの(時にはベンダー固有の)相互接続部品から構成されているため、内部および外部の複数のシステム間で統一されたI/Oを使用することは困難です。

一方、PCI Expressは次世代の新しいアプリケーションの厳しい要求を満足できる性能を備えています。PCI Expressは、PCシステム内部にある数多くのチップレベルのI/Oコンポーネントを複数の機能ユニットに統合し、システムをパーティション化し、それらの個々の機能ユニット間で極めて高速の相互接続を実現します。これによって従来にはない革新的な設計が可能となります。

PCI Expressアーキテクチャは汎用のI/O相互接続機構であり、コンピューティング産業や通信産業の複数のマーケット・セグメントで幅広く利用することができます。PCI Expressは次の接続機能を提供するように設計されています。

  • チップ間の相互接続
  • アダプタ・カード用のI/O相互接続
  • 他の相互接続仕様(1394b、USB2.0、InfiniBand、Ethernetなど)へのI/O接続ポイント
  • グラフィックス帯域幅を増強するグラフィックスI/O接続ポイント

PCI Express

PCI Expressの機能と特長

PCI Expressテクノロジの主な機能と特長は次のとおりです。
  • 複数のマーケット・セグメントとアプリケーションをサポート
  • 既存のPCI OSおよびソフトウェア・ドライバとの互換性
  • 広いリンク幅(x1、x2、x4、x8、x16、x32)によりスケーラビリティを実現
  • 複数の接続タイプ(チップ間接続、ボード間接続など)をサポート
  • 費用効率が高く、大量のシステム・コンポーネントを駆動

PCI Expressのアーキテクチャ

PCI Expressリンクは、2つの低電圧ディファレンシャル(機器Aと機器B間のデュアル・シンプレックス接続)から構成されます。機器Aと機器B間のデータ伝送は、双方向で同時に行われます。非対称のリンクは設定できません(1方向のレーン数を他の方向のレーン数より多くすることはできません)。

PCI Expressリンク

PCI Express

物理コネクタ

PCI Expressは次のような複数の接続タイプをサポートするように設計されています。

  • システム基板上のチップ間コネクタ
  • ボード間コネクタ(PCIアドイン・カードの相互接続など)
  • モバイル・プラットフォーム用のドッキング・ステーション
  • 今後開発される新しいフォーム・ファクターの製品

このような柔軟性のおかげで、今後数年間のうちに登場する新しいプラットフォーム上で斬新かつ革新的なデザインが可能になります。

  • ATXマザーボード・ベースのシステムで使用されるPCI Express x1コネクタ
  • PCI Express ライザカードとPCI Expressアダプタを使用するサーバー環境
  • x1コネクタとx16コネクタを使ったマザーボード・レイアウト

PCI Expressの今後の展望

PCI Expressの推進グループには、業界リーダーであるCompaq、Dell、IBM、Intel、Microsoftがメンバーとして参加しています。PCI Expressテクノロジは、PCI Expressの運営団体であるPCI-SIG(Peripheral Component Interconnect-Special Interest Group)から強力な支援を受けています。PCI-SIGは2003年3月時点で900名以上のメンバーを抱えています。PCI Expressは、複数のマーケット・セグメントで高速アプリケーションを効率的にサポートするように設計された有望なテクノロジです。次の図に示すように、今後、PCI Expressテクノロジは広範な分野で採用されていくことが予想されます。

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PCI SIG
 
PCI Express 物理層解析
Gen1, 2用コンプライアンス・テスト・パッケージ(QPHY-PCIe)
Gen3用コンプライアンス・テスト・パッケージ(QPHY-PCIe3)

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